マーマレード・パンティ

 

 

 

#裏垢女子

#特技

#ピアノ

 

 

 

裏垢女子が演奏するピアノ、どんな感じなのだろう。

 

裏垢女子には承認欲求の渇きがある。

満たされることのない欲求は、より大きなちやほやを求め、自撮りを更新させ続ける。

その根源は、幼少の人格形成期における体験や、劣等感から湧いてくるものだろう。

 

裏垢女子が演奏するピアノを聴いてみたい。

 

習い事でピアノをさせられてきたのだろうか。

子どもの習い事がピアノというのは、一種のステータスとして認知されている。

そんな家にもかかわらず、裏垢女子。

いや、そんな家だからこそなのかもしれない。

 

気になるよ。

聴いてみたいんだ。

裏垢女子が演奏するピアノ。

あんまり上手くないだろうなぁ…。

 

 

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中学2年生の夏、クラスに転校生が来た。

膝上30cmのスカートは、もはや衣服としての機能を丸投げしており、パンティ見放題だった。

高熱を出した日にドン・キホーテで瞼をぎゅっと閉じるとモワァ…と浮かんでくる、緑と黄色と赤のサイケなパンティだった。

 

ビッチなんて言葉は知らなかった僕らは、その女の子を、エロ女、ヤリマンなどと呼んだ。

 

噂がヒートアップしてきた頃、あいつはオジサンに着用済の下着を売っていて、そのお金で遊んでいる、というところまで来た。

僕は虚勢を張ろうとして、まぁ?そのパンティを手に入れたら?マーマレード塗って食べるかな?って言ってた。

 

ドン引きされた。

でも合ってるよ、昔の僕。

朝メシ前みたいなことが言いたかったんだよな。

 

秋。彼女はまた何処かへ転校していった。

マーマレード・パンティを残して…。