読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「エンドレスエイト」の思い出〜思春期が僕たちに教えてくれたこと〜

 

 

中学2年生の夏。

僕はサッカー部に所属していた。

 

今思い返すと、公立中学校の部活動にしては珍しく、毎週末のように他校との練習試合を組まれていた。

顧問の先生に、同じサッカー部の顧問の先生の友達が多かったり、とにかく横の繋がりが多かった為だ。

土曜日も日曜日も練習試合で他校に向かうということもしばしばあった。

 

僕は、練習試合の度に、昼食代として500円を親から支給されていた。

しかし、僕は、練習試合の日は早起きをして、米を炊き、おにぎりを自分で握って持って行くことで、その500円をコツコツと貯金していたのである。

 

面倒くさがりな性分の自分が、折角の休日に早起きをしてまで500円を貯め続けていたのはなぜか。

 

当時KBS京都にて、月曜の午前0時頃から放映されていた「涼宮ハルヒの憂鬱」を親に気付かれないように視聴したかったからだ。

より詳細に述べるならば、携帯電話も所持していなかった自分が、唯一自由に使える端末である、PSPワンセグチューナーを購入したいがため、その一心であった。

 

そうして2ヶ月ほど貯金を続けた僕は、遂にPSPワンセグチューナーを購入した。

4000円、5000円ほどの買い物だった。

 

PSPワンセグチューナーを購入して初めての月曜日、僕は入念にPSPワンセグチューナーの動作確認を行った。

自宅が、鉄筋で組まれたマンションの一室であったためか、自室はおろかリビングですら電波を受信しなかった。

しばらく家中をウロウロとした後、国道側のトイレの窓付近であれば、KBS京都の電波を受信できることが判明する。

 

程なくして運命の時は来た。

午前0時。

トイレの窓から見渡すと天気は雨で、夏の夜中特有の暑苦しさと、湿気から鼻に付くムッとした匂いの中。

僕の気分は晩期の開拓者か天体観測者のような、充足感と達成感とに満ちていた。

 

 

 

 

その時に視聴したのが「エンドレスエイト」である。

 

この後、僕は同じ1週間をワンセグチューナーとともに、8回ほど繰り返すことになる。